多くの人が気づけない現象、注意の瞬き

下記の20秒の動画を見ていただければ、注意の瞬きという現象がよくわかります。高速で表示される英数字の中から数字を見つけるというシンプルな問題です。

皆さんは見つけることができましたか?

注意の瞬きと呼ばれるこの実験結果は、人間が選択的に注意を向けている時、ひとつ目の標的から180~450ms 後に連続して現れるふたつ目の標的を見つけられないことが多いというもの。

注意の瞬き:スロー再生で数字を確認する

ふたつ目の数字が見つけられない方のためにスローな動画も用意しておきました。このスピードなら見つかりますよね?

 瞑想で注意の瞬きが起こらなくなる、は科学的な根拠はない

私が瞑想トレーニングに参加した時に、はじめて注意の瞬きにチャレンジしたときには、ひとつ目の数字しか見つけることができませんでした。SIYというGoogleの瞑想トレーニングが日本で開催されたときのものでした。とても驚いたと同時に少し悔しい思いをしたのを覚えています。

瞑想のトレーニングを積むことで注意の瞬きによる影響が少なくなったという実験結果から、瞑想が注意力の向上に寄与している、という講師の話でしたが、根拠となった実験が23名のうち17名について効果があったという小規模な実験でした。

この結果から、科学的な裏付けとすることはできないでしょう。数字が2度現れると「わかっていれば」ほとんどの人が見つけられますし。瞑想は私もとても気に入っていて習慣にしているので、不正確な情報で瞑想を広めている方を見かけると残念な気持ちになります。

注意が瞬きをするという特性を理解すると、瞬きを予防できる

瞬間的に連続した数字でなくとも、ひとつの事柄に注意が向くと、その先にある二つ目や三つ目の事柄を見逃している、なんてことがよくあります。しかし、このテストに2度目に挑戦することでほとんどの人が2個めの数字を見つけることができるのです。

つまり、注意が瞬きをするという特性を理解していれば、注意の瞬きを”意識的に防ぐ事ができる”ということです。注意が瞬きをしないように、注意をするといえますでしょうか。

何か答えが見つかったと思ったときこそ、他に答えがないかと、注意が瞬きをしてないか注意を払ってみてはいかがでしょう。

参考リンク

Attentional Blink / wikipedia

注意力を試してみましょう(英語)

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